2017年3月19日〜4月1日に行われた第89回選抜高校野球大会。

 

 

同日の2回戦で2試合が連続延長15回決着つかず再試合があったり、1試合に2本塁打を放つ選手が複数出たり、公式戦初完封を甲子園で記録した選手がいたり、登坂した4投手すべてが最速140km/h超えなど近年稀に見る白熱した見応えのある大会になった。

打高投低と言われ始まった今大会。評判通りの打ち合いの試合もあったが、1-1延長15回再試合になった2回戦、福岡大大濠対滋賀学園戦の福岡大大濠エース三浦銀二投手や、初戦でも延長14回を1人で投げ抜いた滋賀学園棚原孝太投手。

テンポの速さが持ち味で速い試合展開と少ない球数で完投を続けたアンダースローの東海大福岡の安田大将投手など目立った投手も多かった。

今回は選抜での投手成績をすべて算出し、ベスト16以上に進出したチームで9イニング以上登板している投手を対象に各種ランキングを発表する。

 

第89回選抜投手ランキング防御率

順位校名名前防御率
1位滋賀学園棚原0.78
2位秀岳館川端1.71
3位報徳学園西垣1.80
3位タイ大阪桐蔭徳山1.80
3位タイ作新学院大関1.80
6位福岡大大濠三浦銀1.91
7位秀岳館田浦1.93
8位健大高崎向井2.00
9位智辯学園松本2.65
10位市呉池田2.70
10位タイ滋賀学園宮城2.70
12位報徳学園池上3.00
12位タイ前橋育英丸山3.00
14位履正社竹田3.48
15位健大高崎伊藤4.09
16位東海大福岡安田4.50
16位タイ早稲田実服部4.50
18位福井工大福井摺石4.95
19位盛岡大付属三浦瑞5.57
20位静岡池谷7.04

0.78の好成績を叩き出し防御率部門で見事1位に輝いたのは滋賀学園背番号「10」棚原投手。大会前にエース神村を怪我で欠いていた中、二枚看板の片輪として初戦の東海大市原望洋戦を14回完投。プロ注目の金久保投手に投げ勝った実力派。

1.71とこちらも失点を許さなかった第2位は秀岳館のダブルエース左腕川端投手。今大会のMAXは148km/hと高校生左腕最速。強気の内角攻めが印象に強い。

第3位は防御率1.80は報徳学園・西垣。秋季大会までパッとしない投球の多かったエースだが、一冬越えて見違えるほどの直球を見せてくれた。常時130km/h中盤〜後半のストレートと多彩な変化球が低めに決まっていた。特にフォークや、スライダーのストレート系の変化球で打者を翻弄した。2回戦の前橋育英戦では自身初の公式戦完封を記録した。

 

第89回選抜投手ランキング奪三振

順位校名名前奪三振数
1位秀岳館川端36
2位大阪桐蔭徳山27
3位履正社竹田25
4位報徳学園西垣24
5位福岡大大濠三浦銀20
6位智辯学園松本20
7位盛岡大付属三浦瑞17
8位健大高崎伊藤16
9位滋賀学園棚原16
10位静岡池谷16
11位タイ健大高崎向井11
11位タイ秀岳館田浦11
11位タイ福井工大福井摺石11
14位市呉池田10
15位タイ前橋育英丸山8
15位タイ作新学院大関8
17位東海大福岡安田7
18位滋賀学園宮城5
19位報徳学園池上3
20位早稲田実服部2

第1位には防御率部門で2位を獲得した秀岳館・川端が君臨。36奪三振は2位以下に大差をつけて1人だけ30台。三振の取れる投手は打たれないと証明して見せた。

第2位には優勝投手大阪桐蔭・徳山が27奪三振でランクイン。登板した試合数も考えれば特別多い数字ではないのかもしれないが直球、変化球共に精度は高く、低めに集められていた。連投必至の甲子園では打たせて取る投球に集中し、ここぞってところだけで三振を稼いでいた様に見えた。

奪三振26個と2位とは1個差の3位に輝いたのは準優勝投手、履正社・竹田。竹田も投球スタイルとして徳山と似ていて、三振狙いの力投派とは違い丁寧にコーナーを突き打ち取るタイプで連投を意識した投球内容。1試合5.2個とまずまずの成績。

 

 

第89回選抜投手ランキング球数

順位校名名前球数
1位履正社竹田614
2位大阪桐蔭徳山581
3位福岡大大濠三浦銀475
4位報徳学園西垣388
5位健大高崎伊藤370
6位秀岳館川端370
7位盛岡大付属三浦瑞362
8位東海大福岡安田351
9位福井工大福井摺石304
10位滋賀学園棚原301
11位タイ市呉池田280
11位タイ智辯学園松本258
11位タイ静岡池谷217
14位秀岳館田浦195
15位タイ作新学院大関195
15位タイ健大高崎向井170
17位前橋育英丸山161
18位滋賀学園宮城132
19位報徳学園池上121
20位早稲田実服部114

投球数5試合で614球で1位の履正社・竹田。初戦の日大三高戦で打ち込まれる場面や、四球の多さが目立った。その後は少ない球数で決勝まで進んだが、大阪桐蔭に8失点と打ち込まれここでま球数を稼いでの1位に。

第2位は581球で大阪桐蔭・徳山。履正社・竹田同様チームの大黒柱としてフル稼働した結果。やはり、5試合を戦い抜くエースには600球近くを12日間で投げられるスタミナが必要そうだ。

第3位には準々決勝で敗れてしまった福岡大大濠・三浦銀二。15回を一人で投げきり、翌々日には再試合も一人で投げ切った結果475球。鉄腕三浦の名に恥じてはいないがあの短期間でこの数は今後が心配な投球数。

 

第89回選抜投手ランキングイニング数

順位校名名前イニング数
1位履正社竹田41 1/3
2位大阪桐蔭徳山40
3位福岡大大濠三浦銀33
4位東海大福岡
安田26
5位報徳学園西垣25
6位滋賀学園棚原23
7位健大高崎伊藤22
8位秀岳館川端21
9位盛岡大付属三浦瑞20 1/3
10位市呉池田20
10位タイ福井工大福井摺足20
12位智辯学園松本17
13位静岡
池谷15 1/3
14位作新学院大関15
15位秀岳館田浦14
16位前橋育英丸山12
17位滋賀学園宮城10
17位タイ早稲田実服部10
19位健大高崎向井9
19位タイ報徳学園池上9

球数に比例してこのランキングも1位竹田は41 1/3回。2位の竹田は40回。3位に三浦銀。

 

第89回選抜投手ランキング被安打数

順位校名名前被安打数
1位健大高崎
向井3
2位報徳学園池上5
3位早稲田実服部6
4位前橋育英
丸山7
5位滋賀学園宮城9
6位市呉池田10
7位智辯学園松本12
8位秀岳館田浦13
8位タイ作新学院大関13
10位滋賀学園棚原15
11位報徳学園西垣16
11位タイ秀岳館川端16
13位福井工大福井
摺足17
14位タイ盛岡大付属三浦瑞20
14位タイ静岡池谷20
16位健大高崎伊藤22
17位大阪桐蔭徳山23
18位福岡大大濠三浦銀26
19位東海大福岡安田28
20位履正社竹田37

このランキングはイニングランキングを逆さにした様なものでイニングランキングで下位にいた、健大高崎・向井、報徳学園・池上、早実・服部が上位を占める。

意外なのは最下位の履正社・竹田が37本と19位の東海大福岡・安田に9個差とかなり打ち込まれていた。

2回線で履正社を1-0と接戦で苦しませた市呉の池田は6位にランクイン。池田も強力打線履正社相手に一歩も引かず内角をしっかり攻めた。夏に期待の持てる投手へと変貌した。

 

第89回選抜投手ランキング与四死球数

worst校名名前与四死球
1位大阪桐蔭
徳山15
2位タイ盛岡大付属三浦瑞14
2位タイ秀岳館川端14
4位タイ健大高崎
伊藤12
4位タイ報徳学園西垣12
6位福岡大大濠三浦銀11
7位タイ市呉池田10
7位タイ福井工大福井摺足10
9位タイ履正社竹田9
10位タイ健大高崎向井8
10位タイ東海大福岡安田8
10位タイ早稲田実服部8
13位智辯学園
松本5
14位タイ秀岳館田浦4
14位タイ滋賀学園棚原4
16位滋賀学園宮城3
17位タイ報徳学園池上2
17位タイ前橋育英丸山2
17位タイ作新学院大関2
17位タイ静岡池谷2

worst1位の徳山は15個。同じくらいのイニングを投げた竹田の9個と比べるとやや多かった。

worst2位に入った盛岡大付属三浦は打たせて取るのが信条の投手。制球力が生命線になるが、この内容だと夏までの改革が必死。

同立worst2位は秀岳館・川端。元々三振狙いの力投派の投球スタイルはテイクバック時の肩の上下運動が制球力を乱している。一冬越えて球質、スピードは増したが、夏にはもう一皮剥けたいところ。

 

まとめ

大会注目のスラッガーが多かった今大会で割りと投手への評価も高かった。数字だけを見ると自分の武器としているものを明確に理解し素直にその投球が出来ている投手の方が少なく感じた。

東海大福岡・安田、盛岡大付属三浦瑞あたりは投球スタイルを考えれば四死球が多い分、ランナーを背負いながら守るバックに負担をかけやすくなり、失点も増えやすくなる。

四球、球数共に多いが防御率、奪三振数が多い秀岳館・川端は自分の投球スタイルをよく理解している1人だろう。

打たせて取るに徹底できていたのは作新学院・大関。奪三振数も少ないが球数、四死球も少ない。

静岡・池谷の成長も著しかった。地区大会では快速球で三振の山を築き、大会前の投手ランキングでは奪三振部門1位を獲得するも四死球で自らを苦しめる試合もあった。しかし、選抜では15 1/3回を投げ16奪三振と相変わらずのDr.Kぶりを発揮するも四死球2と抜群の安定感を披露した。

一定の成果を挙げた投手もいれば新たな課題にぶつかった投手もいた今大会。夏までの4,5ヶ月での成長で甲子園を更に沸かせてくれることを期待したい。

 

 

第89回選抜高校野球詳細

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