画像引用先:日刊スポーツ

 

RKK熊本招待試合

 

 

2番敬遠、清宮勝負

早実の清宮幸太郎一塁手が14日、熊本RKK(熊本放送)招待高校野球(藤崎台県営)の秀岳館戦で、前代未聞の9回2アウトランナーなしから前の打者の敬遠を味わった。今春センバツ4強の秀岳館・鍛治舎巧監督は、非公式で救援したエースと怪物の対決を優先。「熊本のファンも清宮君を見たい」と説明した。清宮はファーストゴロで最後の打者になり、「いろいろ感じる部分はあります」と戸惑いの表情を隠せなかった。

 

批判も覚悟

捕手が中腰に構えた瞬間、観衆7000人の場内がどよめいた。早実4点ビハインドの9回2アウト。ネクストサークルに控える清宮の目の前で、2番・雪山幹太捕手に外角高めのボールが4球続いた。「あと一人」に追い込まれた場面で、前の打者が歩かされる初めての経験。高校通算93発の主砲はざわつくスタンドを見やりながら、打席に向かった。ファーストゴロに倒れ、「色々感じる部分はありますけど、、、。打ち損じてしまいました。」試合終了後も表情は硬かった。

今春センバツまで秀岳館を3季連続甲子園4強に導いた鍛治舎監督の奇策だった。「甲子園で当たるかも。川端は勝負しましたけど、田浦ができていないので。勝負させたいと思った。」プロ注目の背番号10の最速148キロ左腕・川端健斗が先発で5回無失点。8回途中から3番手で144キロ左腕・田浦文丸を投入した。救援のエースを怪物にぶつけるため、異例の手段を選んだ。

公式戦ではない地元の招待試合。指揮官は「熊本のファンが清宮君を生で見るのは恐らく初めて。ファンも見たい。パフォーマンスじゃない。高校野球は真剣勝負。批判されるかもしれないことも覚悟。甲子園では絶対あり得ません」と語った。

 

 

清宮は3回にライト前安打を放ち、3打数1安打2四球。「どの投手も一級品。温かい声援をたくさん感じて、感謝しています」と口を結んだ。鍛治舎監督は「スイングが速い。トップの位置がぶれない。下半身がしっかりして、どんな球でも対応できる。なまじ93本打っているだけのことは、十二分にある」と認めた。

 

「2番かわいそう」も

清宮は敬遠の概念を覆した。明徳義塾が星稜・松井秀喜を5打席連続で歩かせたように、強打者との対戦を避けるのがセオリー。今回は招待試合とは言え、全く逆で対決を望まれた。

ネット裏の中日、阪神、西武、ソフトバンクのスカウトは「見たことがない」と口を揃えた。「相手にそれほど対戦したいと思わせる打者。監督が勝負を経験させたい気持ちもわかる」「公式戦じゃないし、お客さんの多くが清宮を見に来ている」。りかいを示す一方で、「早実にとっては複雑」「ないがしろにされた2番打者がかわいそう」との指摘も聞こえた。

指揮官は共に早大出身。先輩の秀岳館・鍛治舎監督は「相手の監督にしては微妙だと思う」と察し、早実・和泉実監督は「参りました」と漏らした。涙目や険しい顔の早実ナインを見送った熊本県高野連の関係者は「お客さんが沸く気持ちも分かりますけど、早実のことを考えたら、何とも言えません」。清宮に残された再試合の舞台は、夏の甲子園しかない。

 

早実 1-5 秀岳館

 

熊工山口148キロ10K

今秋のドラフト候補右腕・山口翔がRKK招待試合・慶應戦で5回8安打6失点だったが、自己最速にあと1キロ迫る148キロをマークし、10三振を奪った。試合前に早実ー秀岳館戦を観戦。「清宮が振っただけで歓声が沸く。プロ野球を見ている感じ」と触発された。髪を五厘に刈って気合いを入れ、「150キロを狙って飛ばしたけど、壁は互い」。

 

慶応 7-5 文徳

慶応 6-2 熊本工